ややプログラム紀行

博士2年のプログラムに関する日記

High-Dimensional Probability

去年の12月あたりから読み進めてたVershyninさんのHigh-Dimensional Probability*1をようやく読み終わった

公式サイト的なのでドラフトが無料配布されてるやつ*2

https://www.math.uci.edu/~rvershyn/papers/HDP-book/HDP-book.html

 

内容は大雑把に言って

  1. よくあるconcentration inequalityから始まってsub-gaussianの導入
  2. タイトルの通りベクトルの形をした確率変数の解析に移る
  3. 行列の形をした確率変数の扱い方を考える(ε-netとか)
  4. 等周不等式と、高次元でのblow-upを利用して独立性の仮定を緩める方法を導出する
  5. 確率過程の解析のやり方を考える(εネットの進化系のchainingとか)

みたいな流れになってて*3、なるべくモチベーション重視の構成になっているのがかなり好印象だった 

あと扱われているトピック自体もわりかし面白いものが多い*4けど、それ以上に問題に対する考え方とアプローチがかなりたくさん載ってたのがタメになった

 

演習問題が随所に登場するけれど、基本的に話にかなり関わってくる問題が多くて、かつ後から演習問題を参照して話を進めることも多いからなるべく全部解きながら進めていくのが良いと思う

 

 

次はKlenkeのProbability TheoryがInfinitely Divisible Distributionsの章で止まってたから最初からザッと復習したい、あとrandom matrix theoryも勉強しとくべきなんかなぁとか思ってる

HDPはとにかく色々やりつつでクソ時間かけてしまったから、集中して1ヶ月で1冊消化できるようになりたい(研究との配分もうまくやらないと破滅してしまう

*1:無料で配布されてるドラフトの名前がHDP-bookだったから自分もそう呼んでる

*2:Your Copyページにある

*3:勿論ここに微塵も登場してない概念も結構ある

*4:ただ、似たような問題が少し仮定を緩めた状態で再登場することがかなり多くて、そこが少し飽き飽きする人もいるかもしれない